就職みらい研究所では、2020年4月28日~2020年5月8日に、就職情報サイト『リクナビ2021』登録学生を対象に、2021年卒学生の就職活動の実態を調査いたしました。
2021年卒学生の就職活動については、インターンシップ参加経験が学生の内定取得状況に影響を及ぼしているといった論調が見られました。
しかしながら、日本の新卒学生の就職活動に関するこれまでの研究では、インターンシップ参加が内定取得に直接的な影響を及ぼしていることは明確に示されていません。
多くの学生がインターンシップに参加するようになった中、また、コロナ禍によって学生の就職活動環境が大きく変化した中、今回のレポートでは、「インターンシップは内定取得に有利」という論調を、調査結果や新卒学生の内定取得に関する先行研究をもとに検証してみます。
レポートの概要
・コロナ禍を受け、2021年卒学生の内定率報道が目立つ中、「インターンシップ参加が学生の内定取得の明暗を分けた」「インターンシップ参加は内定取得に有利だ」といった主旨の論調も見られた。
・しかし、インターンシップ参加・非参加別に学生の就職活動実態を見ると、インターンシップ参加者の方が就職活動を「積極的に」「早く」「多く」行っていたことで、先行して内定取得していることが分かった。
・2021年卒学生の就職活動においては、インターンシップ非参加学生の多くが就職活動を開始する時期にコロナ禍が起こったことで、就職活動の「早期化」と「二極化」をよりあぶりだしたと考えられる。
・先行研究では、早期に・たくさん就職活動を行うことが、学生によっては必ずしも内定取得に有意な影響をもたらさないことも示されている。「インターンシップは内定取得に有利」のようにインターンシップ参加を促すことは、学生に一律に、「積極的に」「早く」「多く」就職活動をさせることにつながる可能性がある。
・学生一人一人が「自分が思う時期に」「自分のペースで」「自分で考えながら」就職活動のプロセスを歩む手段として、インターンシップを活用できるようになることが重要である。
調査概要
調査期間: 2020年4月28日~2020年5月8日
調査対象:就職情報サイト『リクナビ2021』登録学生
調査方法:インターネット調査(無記名任意回答)
回答者数:5,887名(大学生4,769名、大学院生1,118名)