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就職みらい研究所とは
2020.09.02

《就職みらい研究所 REPORT》 Web面接で学生・企業のより良いコミュニケーションが行われるには?

就職みらい研究所では、2020年4月28日~2020年5月8日に、就職情報サイト『リクナビ2021』登録学生を対象に、2021年卒学生の就職活動の実態を調査いたしました。

2021年卒新卒採用において普及したWeb面接は、学生・企業双方の新たな機会に繋がるはずです。しかし学生はWeb面接に、対面面接よりも、企業(面接担当者)とのコミュニケーションに難しさを感じているようです。
今回のレポートでは、学生がWeb面接においてどのように志望意欲を確認しているかに注目しています。新卒採用選考におけるコミュニケーションの特徴から、学生がWeb面接にコミュニケーションの難しさを感じる理由を考察し、Web面接における学生・企業双方にとってより良いコミュニケーションのあり方を検討しています。

 
 

レポートの概要

 
・日本の新卒採用選考のコミュニケーションとして、学生・企業双方で主観的な相性のすり合わせが行われる事が多いという特徴があるが、相手の感情や雰囲気はWeb(オンライン)のコミュニケーションでは伝わりにくい。

・しかし学生はWeb面接においても、「面接官がとても良い人で、面接時に会社の雰囲気などをお話していただけた」「人事の方が親身になって自分の話を聞こうとしてくれた」といった主観的な相性のすり合わせから、企業の志望意欲を確認している傾向がみられる。入社後の働くイメージや仕事内容の理解から志望意欲を確認している学生は少ない。

共起ネットワーク図:Webでの「面接選考」で志望意欲が高まった理由

・同じWeb(オンライン)のコミュニケーションでも、学生は内定後の面談では、「自分が入社した場合のイメージや若手の活躍、不安に思うこと等様々なアドバイスをもらったことから、実際のキャリアプランが明確になった」のように、入社後の働くイメージや仕事内容の理解から志望意欲を確認している傾向がみられる。

共起ネットワーク図:Webでの「内定後の面談」で志望意欲が高まった理由

・学生がWeb面接に難しさを感じているのは、Web(オンライン)面接のコミュニケーションでは難しい主観的な相性のすり合わせに気を取られ、「企業のことがよく分からない」まま選考結果を受け止めざるを得ないためだと考えられる。

・Web面接におけるより良いコミュニケーションのあり方として、学生は面接を終えても企業理解が不十分になってしまわないようにすることが重要である。Web(オンライン)では掴みにくい、面接担当者の自分の「自己PR」や「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」への反応に意識が集中しすぎないように注意することが重要である。
面接を終えても企業理解が不十分だと感じた場合、自分から企業に面談希望を伝える等の行動が大事になる。

・企業は学生に対して、対面面接よりも「自社ではどのようなことができて、どのようなことができないのか」を、意識して事実伝達することが重要。また、内定後の面談等を通した、選考後フォローも重要である。

 

参考コラム

企業・学生の採用コミュニケーションについては、下記コラムもぜひご覧ください。

就職みらい研究所(2020)「新型コロナウイルス感染症に関する企業の取り組み」

就職みらい研究所(2020)「事例・データでひも解く 就職活動の不安やギモン Vol.4 「Webで企業の雰囲気をつかむには?」

 

調査概要

 
調査期間: 2020年4月28日~2020年5月8日
調査対象:就職情報サイト『リクナビ2021』登録学生
調査方法:インターネット調査(無記名任意回答)
回答者数:5,887名(大学生4,769名、大学院生1,118名)

 

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