株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘)のよりよい就職・採用の在り方を追究するための研究機関・就職みらい研究所(所長:栗田 貴祥)は、大学生および大学院生の就職活動において、働きたい組織の特徴を明らかにするため、就職活動を行っている2023年3月卒業予定の大学4年生・大学院2年生を対象に調査を実施いたしました。この調査結果より一部を抜粋してご報告申し上げます。
PDF資料では、大学院生の回答や、「A」「どちらかといえばA」「B」「どちらかといえばB」の4つの選択肢の詳細についてもご覧いただけます。
大学生の「働きたい組織の特徴」のまとめ
「働きたい組織の特徴」は、「経営スタイル」「貢献と報酬の関係」「成長スタイル」「ワークスタイル」「コミュニケーションスタイル」の5つの観点で、29項目をAとBのどちらの考えに近いかで聞いています。大学生が支持している働きたい組織の特徴について、PDF資料P5~6およびP7~8を参照に、特徴的なものをピックアップしてまとめました。
1.経営スタイル
- 項目1の「A:歴史や伝統がある企業である」と「B:若く新しい企業である」では、「B(26.9%)」よりも「A(73.1%)」 の支持率が高い。
- 項目2の「A:安定し、確実な事業成長を目指している」と「B:リスクをとり、チャレンジングな事業成長を目指している」では、「B(15.8%)」よりも「A(84.2%)」の支持率が高い。
- 項目3の「A:企業固有の技術や商品、ブランド、ノウハウなどが強みとなっている」と「B:個々の人材のもつ専門性が強みとなっている」では、「B(26.7%)」よりも「A(73.3%)」の支持率が高い。
- 項目4の「A:意思決定の際は、迅速性よりも正確性を重視する」と「B:意思決定の際は、正確性よりも迅速性を重視する」では、「B(20.0%)」よりも「A(80.0%)」の支持率が高い。
- 項目7の「A:自社と社会の利害が対立したとき、自社の利益を優先する」と「B:自社と社会の利害が対立したとき、社会の利益を優先する」では、「A(40.3%)」よりも「B(59.7%)」の支持率は高いものの、「A」も4割台で比較的支持率は高い。
2.貢献と報酬の関係
- 項目8の「A:給与は高いが、個人間で待遇に大きく差がついたり、降格になったりする可能性は大きい」と「B:給与は低いが、個人間で待遇に大きく差がついたり、降格になったりする可能性は小さい」では、「A(44.1%)」より「B(55.9%)」の支持率が高いものの、「A」も4割台と比較的高い
- 項目10の「A:個人の生活をサポートする制度(休暇制度や各種手当など)はないが、給与は高い」と「B:個人の生活をサポートする制度(休暇制度や各種手当など)を充実させる代わりに、給与は低い」では、「A(29.4%)」よりも「B(70.6%)」の支持率が高い。
- 項目11の「A:入社直後の給与は低いが、長く働き続けることで後々高い給与をもらえるようになる」と「B:入社直後から高めの給与をもらえるが、長く勤め続けてもあまり給与が増えない」では、「B(25.8%)」よりも「A(74.2%)」の支持率が高い。
- 項目12の「A:自分のキャリアステップは自分で考え、実現に取り組むことが求められる」と「B:異動や配置を通じ、会社が個人のキャリアステップを考えてくれる」では、「B(40.8%)」よりも「A(59.2%)」の支持率は高いものの、「B」も4割台で比較的支持率は高い。
3.成長スタイル
- 項目14の「A:これまでの経験(学業など)を活かして成長できる」と「B:これまでの経験(学業など)とは無関係に、ゼロから学べる」では、「B(42.0%)」よりも「A(58.0%)」の支持率が高いものの、「B」も4割台と比較的高い。
- 項目16の「A:どこの会社に行ってもある程度通用するような汎用的な能力が身につく」と「B:その会社に属していてこそ役に立つ、企業独自の特殊な能力が身につく」では、「B(25.1%)」よりも「A(74.9%)」の支持率が高い。
- 項目17の「A:短期で成長できるが、体力的・精神的なストレスもかかる」と「B:短期での成長はしにくいが、体力的・精神的なストレスがかからない」では、「A(26.9%)」よりも「B(73.1%)」の支持率が高い。
- 項目18の「A:周囲に優秀な人材が多く、刺激を受けられる」と「B:周囲と比べ、自分が主役として活躍できる」では、「B(25.2%)」よりも「A(74.8%)」の支持率が高い。
4.ワークスタイル
- 項目24の「A:オフィスはきれいで、整然としているが、個人にもそれを維持する規律が求められる」と「B:オフィスは雑然としており、散らかっているが、規律にはあまりうるさくない」では、「B(19.8%)」よりも「A(80.2%)」の支持率が高い。
- 項目25の「A:組織の目的や目標に向けて、チームで働くことが求められる」と「B:自分のやりたいことを起点に、個人のイニシアティブで働くことが求められる」では、「B(23.0%)」より「A(77.0%)」の支持率が高い。
- 項目26の「A:様々な仕事を、短期間で次々に経験する」と「B:特定領域の仕事を長期間、継続的に担当する」では、「A(43.4%)」よりも「B(56.6%)」の支持率が高いものの、「A」も4割台と比較的高い。
- 項目27の「A:仕事と私生活のバランスを自分でコントロールできる」と「B:仕事と私生活は区別なく、一体として働ける」では、「B(13.6%)」よりも「A(86.4%)」の支持率が高い。
5.コミュニケーションスタイル
- 項目28の「A:ウェットな人間関係で、プライベートも仲が良い」と「B:ドライな人間関係で、プライベートでは関わりがない」では、「B(30.7%)」よりも「A(69.3%)」の支持率が高い。
- 項目29の「A:コミュニケーションが密で、一体感を求められる」と「B:コミュニケーションは希薄で、個人の自由に任せる」では、「B(22.7%)」より「A(77.3%)」の支持率が高い。
調査概要
調査目的
就職活動中の大学生および大学院生の「働きたい組織(企業、団体、官庁など)の特徴」を把握する
調査対象
リクナビ2023(※)会員より、2023年3月卒業予定の大学生および大学院生
※株式会社リクルートが運営している、就職活動を支援するサイト
https://job.rikunabi.com/2023/
調査期間
2022年4月30日~5月26日
調査方法
インターネット調査
調査内容
「働きたい組織」の特徴
回収数
大学生 3,724人 大学院生 843人
※前年比較に用いた集計対象人数(2022年卒)
大学生 4,872人 大学院生 1,217人
※「働きたい組織の特徴」2023年卒では、<文系・理系別編><志望職種別編>もリリースしています。