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2020.09.14

就活に関する情報、どれを参考にすればいいの?

事例・データでひも解く 就職活動の不安やギモン Vol.7

就職活動や就職に関するさまざまな情報が飛び交うなか、学生さんの本当の不安や悩み、ギモンは何でしょう? 学生さんとお話をしながら、一緒に考えてみました。

 
【お話してくれたのは…】

【一緒に考えたのは…】

 
松井:前回まで、「どんな仕事をしていきたいか」という想いを志望動機として話すことや、「その想いに接点がある企業を探してみる」ことが重要だという話をしてきました。
Mさんは他に、就職活動にどんなギモンを感じていますか?
 
Mさん:ギモンというより困っていることに近いんですけど・・・「就職活動のやり方」がたくさんあって、それをちゃんとやろうするのが、とっても大変です。
 
増本:確かにそうですよね。就職対策本もたくさん売られていますし、今はSNSや動画サイトでも、たくさんの情報が発信されています。発信されていることを片っ端からやると、ぜんぶ中途半端になりかねません。
 
松井:Mさんは、Webで発信されている「就職活動のやり方」などもチェックしていますよね。
 
Mさん:はい。「志望動機は企業に合わせて言わなきゃならないのかな?」って考えていたのも、書かれていたことを参考にして、頑張って志望動機を考えていました。でも、いろんな情報を見ているうちに、「たくさん書いてあることからどれを選べばいいんだろう?」ってなっています。
 
増本:なるほど。そんなMさんにぜひお伝えしたいのですが、私は、就職活動は自分の”検索軸“を持てるかどうかがとても大切だと思っています。

現状の新卒採用では、「総合職」のように大きな枠で採用されることが多いです。

企業は大きな枠で採用するので、「入社して経験を積んでもらおう」のように、入社後の可能性(ポテンシャル)を見てくれます。そのために日本の新卒就職率は、海外の国々に比べてとっても高いのです。だけど大きな枠で採用しているので、入社者一人ひとりの細かな仕事内容を具体的に情報発信している企業が少ない。学生が知りたい情報と、企業が提供している情報はギャップだらけで、その差はなかなか埋まりません。

 

 
増本:就職や就職活動に関する情報は多いのに、ギャップは埋まらない。だからこそ学生の皆さんには、自分の「検索軸」を持ってほしいと思います。
 
Mさん:「検索軸」ですか?
 
増本:例えば企業探しについては、私はこういう条件で探してみよう、という自分自身が大事にしたい考えをもとに探してみてください。「自分がキラキラする仕事」とはどのような条件がそろっていればよいか?を探していければ、企業の見え方も変わってくるはずです。
 
Mさん:だから、「会社に合わせなくちゃいけない」よりも「こんな自分でありたい」が大事なんですね。
 
増本:そうです。だからこそ、自分が仕事でキラキラできるポイント、を先に持っておくことが大事。企業に志望動機を話すときも、「私が求める要素に共通点があるので、貴社を志望します」という順番で語ってほしいですね。こうやって考えていくと、「志望動機は企業に合わせて言うべき」という情報があったとしても、自分の「検索軸」とは違うから、一旦これはやらなくていい、という判断ができますよね。情報の取捨選択ができるようになるわけです。
 
Mさん:ありがとうございます! 自分のことを語っているつもりで、「自分ありき」ではなかったと気づかされました。
 
松井:今回お話していて、Mさんにとって大事な気づきがあったんじゃないかな、と思います。Mさんからいろんなことが聞けたので、引き続き整理しながら就職活動を続けていきましょうね。
 
Mさん:はい、引き続き就活アドバイスお願いします!

 

取材・文/田中瑠子

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