今後、一層の拡大が予測されるインターンシップ。導入する企業にとっては、プログラムの企画や運営のブラッシュアップは今後の課題となりそうです。本記事では、北海学園大学の「GIP(北海学園インターンシッププログラム)」協力企業への取材を実施。本記事では、各社の取り組みや成果についてレポートしていきます。
※取材にご協力いただいた、人事部 部長 平岡 純氏
社名 | グローヴエンターテイメント株式会社 |
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会社情報 | ブライダル事業、レストラン事業、衣装事業 |
従業員規模 | 102名(2013年11月現在) |
同社のインターンシッププログラムの特徴
- 2009年から、主に「ブライダル系専門学校の学生」を対象に行っており、毎年5名ほどの学生を受け入れている。
- 2013年から、大学生も対象にしたインターンシップを実施。(上記、専門学校生向けプログラムを大学生向けに使用)
- 期間は2週間。現場で実際の接客にあたるプログラム。また、最終日には実際の結婚式で接客を担当する。
実施の流れ
- 1日目
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- グローヴエンターテイメントを知るためのオリエンテーションを実施。
- 社員と共に、式場のオープン・クローズの手伝いを行う。
- 最終日に行う課題発表(プレゼンテーション)の詳細を説明。テーマは「インターンシップを通じて感じたこと、今後に生かせること」について。
- 2日目
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- 実際の結婚式の現場を見学する。インターンシップの後半では実際の式で接客を担当するため、早い段階で仕事内容について理解する場を設けるのが目的。
- 式の準備・セッティング・クローズなどの実務を担当し、仕事を覚える。業務を通じて「テクニックよりも、ホスピタリティが重要」といった同社の考えを伝えていく。(通常の新入社員が入った時と同じように受け入れる)
- 最終日のプレゼンテーションの準備も並行して進める。
- 最終的に
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- 結婚式の本番で接客を担当し、お客さまとの会話なども行う。
- 最終プレゼンテーションは、1人の学生が3人の社員を前に行う。発表が済んだら質疑応答を行い、社員からの感想を聞く。(各自10~20枚程度の資料を作成して、プレゼンテーションを行っている)
- 学生自身でインターンシップでの取り組みを整理し、振り返りを行う。
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- 既存のプログラムを大学生向けに活用、
社風や会社が大事にしていることを学生に伝える - 同社のインターンシップは、専門学校生向けのプログラムを活用して大学生向けインターンシップを開始しています。インターンシップ後の学生アンケートを見ると、現場で社員たちと共に働くことで、同社の社風やホスピタリティーを大事にしていることなどが、しっかり伝わっていることがわかります。また、「仕事についての自分のイメージと、経験してみてわかったこととの間にギャップがあり、普段できない経験ができて新鮮だった」といった感想にあるように、仕事や会社を認知するだけではなく理解(体感)することができていることがわかります。
- ターゲットに合わせたコンテンツ開発が次の課題に
- 同社は今後急速な事業拡大を計画しており、ビジネスマインドが強い人材に自社のビジネスを伝えていくことを新たな課題の一つに置いています。ブライダルに興味があるというだけではない、“有望なビジネス分野”で力を発揮したいと考える強い学生に対しては、彼らの希望にかなうような新たなコンテンツの作成も必要となるでしょう。同社は、次の課題として「全くブライダル業界っぽくないコンテンツを用意したい」(人事部 部長 平岡氏)というテーマを挙げておられました。
就職みらい研究所の調査によると、学生はインターンシップを選ぶ際に“何ができるのか”“何が身に付き、どんな発見があるのか”といった「内容」を重視していることがわかっています。「どんな学生に自社のインターンシップを体験してほしいのか」が変われば、当然、提供するプログラムも変える必要があります。学生の志向に合わせた新たなプログラム開発は、今後多くの企業の課題となることでしょう。同社の今後の取り組みにぜひ注目していきたいと考えています。