就職みらい研究所は、採用活動の中間時点の進捗状況や、次年度の採用に対する見通しなどを把握するため 『採用状況中間調査』を行っています。今回の記事では、調査結果の中の一部を抜粋してポイントを解説していきます。
※ 本調査は、「全国の新卒採用を実施している従業員規模5人以上の企業4,303社」を対象に調査を実施しています。詳細はリンク先の資料内にある調査概要をご覧ください。
※ 本記事でご紹介する 『採用状況中間調査』は、2015年卒に向けての採用状況を2014年6月時点で調査したものです。 2015年卒の採用・就職活動の振り返りについては、『就職白書2015』として2015年3月にリリースを予定しています。
<サマリー>
・2014年卒と比較して、2015年卒の採用活動のスケジュールを早くした企業は35.0%で、遅くした企業の6.6%を大きく上回る。
・2014年卒の際に比べ、4割以上の企業が説明会・セミナーなどの開催回数を増加。
・2014卒と比較した、2015年卒の応募学生への印象は、「地元志向度」を高く感じ、「出世意欲度」や「リーダーシップ度」を低く感じている。
・2016年卒の採用について、8割強(85.9%)の企業が「採用しにくくなる」と回答。
・2016年卒の採用活動に向けて、5割を超える企業が見直しを考えている項目は、「早期の自社認知促進」 「母集団形成」 「内定後の学生へのフォロー」。
・2016年卒採用を見据えたインターンシップの重要度は、64.3%の企業が「高くなった」と回答。
※詳細は以下の資料をご参照ください。
> 『採用状況中間調査(2014年5月実施)』の資料はこちら[PDF DL 651.8K]
※本記事内で引用している調査データのまとめはこちら
> 『採用状況中間調査(2014年5月実施)-データ編-』はこちら[PDF DL 620.0K]
※企業規模別や業種別、地域別などのデータはこちら
Ⅰ.2015年卒の新卒採用活動の実施状況(2014年6月時点)
採用スケジュールについて
採用活動のスケジュールを早くした企業は35.0%で、
遅くした企業の6.6%を大きく上回った
時期を早めた背景について尋ねたところ、半数以上の企業が選択したのは、
「より優秀な人材の確保」(71.9%)、「2014年卒の反省」(54.2%)であった。
説明会・セミナーの開催回数ついて
また、企業は時期を早めただけではなく、説明会・セミナーなどの
開催回数を増やした企業も4割以上となった。
(説明会・セミナーを実施している企業への設問)
《参考》
上のグラフは、採用数の計画に対する6月時点の充足状況です。
採用数充足企業は56.6%、未充足は40.1%となっています。
※ 採用活動の途中段階の充足状況のため、参考として掲載しています。
2015年卒の応募学生について
2015年卒の応募してきた学生への印象を尋ねたところ、上の表の結果となった。
2014年卒と比べて、
「高い」と回答した企業が多かったのは、「地元志向度」(45.4%)、
「低い」と回答した企業が多かったのは、「出世意欲度」(22.2%)となった。
この2項目について、下記の《参考》では企業規模ごとに見てみる。
2014年卒と比べて「高い」から「低い」の差分を見ると、
10ポイント以上の差となったのは以下の3つであった。
「高い」が上回ったもの・・・ 「地元志向度」 (+35.4ポイント)
「低い」が上回ったもの・・・ 「出世意欲度」 (-16.3ポイント)
・・・ 「リーダーシップ度」 (-10.0ポイント)
《参考》
上記で紹介した、「地元志向度」と「出世意欲度」について、企業規模別のデータ
を見てみると下表のようになった。「地元志向度」は、全体で45.4%の企業が高く感じ
ている項目だが、その中でも300~999人企業では約半数であるが、5000人以上企業
では、他の規模よりもやや少なくなっている。
「出世意欲度」は、全体で低く感じている企業が多い項目だが、その中でも300人
未満企業は、「高い-低い」の差がもっとも多い。一方、5000人以上企業では、
約1割が「高い」と感じている。
Ⅱ.2016年卒の新卒採用活動の実施予定
2016年卒の新卒採用見込み・見通し
58.5%の企業が「採用しにくくなる」と回答。
「どちらかというと採用しにくくなる」を加えると、採用しにくくなるのは、
8割強(85.9%)であった。
2016年卒の採用活動の見通しについては、5割強以上の企業が
「新卒採用活動の母集団」や「選考応募者数」が減ると予測しており、
また、4割以上の企業が「内定辞退者数」が増えると予測している。
2016年卒の新卒採用見直し検討
前述のような見通しに対して、企業が採用活動上見直しを検討しているものについて聞
いたところ、5割を超える企業が以下の項目を選択した。
「早期の自社認知促進」・・・58.2%
「母集団形成」・・・55.3%
「内定後の学生へのフォロー」・・・50.4%
Ⅲ.インターンシップについて
インターンシップの重要度・実施時期
インターンシップについて、2016年卒採用を見据えたインターンシップの重要度の
変化を尋ねたところ、64.3%の企業が「高くなった」と回答。
《参考》
2014年度のインターンシップの実施時期を尋ねると、上記のように夏(6月~9月)
の実施が93.0%と大半を占めた。
> 『採用状況中間調査(2014年5月実施)』の資料はこちら[PDF DL 651.8K]
※本記事内で引用している調査データのまとめはこちら
> 『採用状況中間調査(2014年5月実施)-データ編-』はこちら[PDF DL 620.0K]
※企業規模別や業種別、地域別などのデータはこちら