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就職みらい研究所とは
2024.03.29

《就職みらい研究所 REPORT》昨今の“ワークライフバランス志向”の高まりをマクロ環境変化の観点から考える 

就職みらい研究所では、就職活動を行っている大学4年生・大学院2年生を対象に、「働きたい組織の特徴」の調査を、2014年卒から毎継続的に実施しています。
前回「特定の地域で働きたい学生が増えているのはなぜか?」(林 2023)の中で、働く場所の希望をはじめとする価値観の変化も見られ、希望などを声として出しやすい時代になってきたことに触れました。本レポートでは、学生が働きたいと思う組織を選ぶ際に重視する項目の中で「労働時間や勤務スタイル」に関連する「A:仕事と私生活のバランスを自分でコントロールできる」と「B:仕事と私生活は区別なく、一体として働ける」の項目に着目し、考察しました。
※本稿は筆者の個人的な見解であり、所属する組織・研究会の見解を示すものではありません。
 

 

レポートの概要

「A:仕事と私生活のバランスを自分でコントロールできる」を支持する割合(「A」もしくは「どちらかというとA」と回答した割合)は、2024年卒は88.5%と、2014年卒82.6%から5.9ポイント増加しています。特に「A」と回答した割合が2024年卒は49.3%と、2014年卒34.5%から14.8ポイント増加していることから、仕事と私生活のバランスを重要視する傾向が強まっている様子がうかがえます。その背景について、①社会環境の変化、②働き方の変化、③家庭環境の変化、④個人と企業との関係の変化の4つの観点でそれぞれ解説しています。

 

 

 

個人でも特定の期間は仕事に全力投球し、親の介護や子育て等をきっかけにワークライフバランスを充実させるなど、ライフステージによって価値観は変わり得ます。このような様々な価値観の違いをふまえ、個人がライフスタイルに合わせた働き方を選べる環境を企業がつくることで、個人と企業の関係性はより良いものになるでしょう。例えば、短時間勤務、週休3日制やテレワークやワ―ケーションなどを多様な働き方の1つとして導入して、個人のライフスタイルにあわせて、最適な働き方を選べるようにしてはどうでしょうか。

前記の通り、労働時間や勤務スタイルについて、仕事と私生活のバランスを自分でコントロールすることを望む学生が増えていますが、他方、「B:仕事と私生活は区別なく、一体として働ける」と考える学生も一定数います。このように個人の価値観は人それぞれであり、個人のライフステージによっても変わり得ることを忘れてはならないと思います。

 

 

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