就職みらい研究所では、「外国人留学生」の採用・就職について、研究を進めてまいりました。この度、その研究結果が出ましたので、レポートとしてご報告いたします。
「外国人留学生」の採用・就職に関する 研究レポート
研究テーマ
留学生の受け入れについては1983年の「留学生受け入れ10万人計画」が策定されて以来、政府の基本方針として積極的に推進されてきたものである。最近では、法務省の「第5次出入国管理基本計画」(2015年9月)のなかでも、留学生の受け入れについてふれられている。高度人材になり得る人材として期待されている留学生だが、日本の就職活動に対して、徳永(2013)が「留学生の3つの戸惑いと疑問点」を指摘し、「留学生と企業とのコミュニケーション・ギャップ」だけではなく、「企業と大学」、また、企業内でも「人事と現場」にもギャップが存在し得る複雑さをともなった構造についても示している。また、企業側の留学生の採用状況を見ると、大学・大学院を2017年卒業/修了予定の(調査当時)留学生採用を実施した企業は19.6%と、この調査が開始した2012年卒の25.1%より増えていない状況である。これについて、考察と要因を探った。
研究の概要
前述した徳永(2013)は、外国人留学生が就職活動を行う際に、3つの戸惑いと疑問点を挙げている。
①日本式就職活動に疑問・戸惑い
②企業の募集職種である「総合職」に疑問
③“入社後のキャリア”についての疑問
そこで、現在日本で就業している元留学生が、就職活動時にどのように活動を行ったのか、また、就職活動を通して疑問に感じたものや就職状況などを明らかにし、企業側の新たな問題や課題を確認することで、今後の外国人留学生の就職活動や採用のあり方等を示唆したい。