当研究所の調査概要
就職みらい研究所とは
2014.08.28

「就職活動状況レポート 2014年8月度」
-『大学生の就職内定状況調査(2015年卒)』より-

 「2014年8月度 内定状況について」のプレスリリースをいたしましたが、本記事では同調査から見えてきた就職活動状況の様々な実態をレポートしていきます。
また今月は、進路決定した学生に 「進路決定に効果的だったと考えている事」を聞いたところ、「自己分析」や「あきらめないで取り組むこと」が効果的だったとの声が集まりました。学生の皆さんのコメントもご紹介していますのでぜひご覧ください。

 

<内定状況概況>

 8月1日時点の、大学生の就職内定率は78.2%で、前年同月に比べて6.2ポイント高い結果となりました。
上記に伴い、大学生の就職活動実施率(就職志望者のうち)は30.6%で、前年同月と比べて6.1ポイント低くなっています。
今回のレポートでは、「大学生 文系・理系別の就職内定率と、大学院理系の就職内定率(参考値)」 「内々定・内定の取得社数と現在持っている数」についてまとめます。

※詳細は『2014年7月度 内定状況について』の資料をご参照ください。

 

[資料1] 『2014年8月度 内定状況について』の資料はこちら [PDF DL 937.6K]

[資料2] 『就職活動状況レポート 2014年8月度』の詳細資料はこちら [PDF DL 1196.3K]

 

今月の注目データ①

※[資料1](PDF)P5、P12のデータより

8月1日までの内定・内々定状況を、
大学生文系・大学生理系・大学院理系(※参考値)別にグラフ化しました。

※大学院理系はサンプル数が少なくウエイトバックも行っておりませんので、参考値としております。

8月1日時点の内定率は、大学生文系と理系の間で
8.6ポイントの差がある。
大学生の内定率は78.2%となっていますが、大学生文系・大学生理系で分けてみると大きく違いがあります。8月1日時点での内定率は、大学生文系で75.5%(前年同月69.5%)、大学生理系で84.1%(前年同月77.5%)と8.6ポイントの差がありました。
(参考値)大学院理系の8月1日時点の内定率は94.2%。
4月1日から5月1日の調査の間での伸びが大きかった
大学院理系は4月1日時点から5月1日時点の調査の間で、28.0%から72.6%と大きく伸びており、8月1日時点においては94.2%という高い内定率となっています。
※大学院理系はサンプル数が少なくウエイトバックも行っておりませんので、参考値としております。

 

今月の注目データ②

※[資料1](PDF)P4のデータより

学生は、前年より早い内定辞退をしている。

就職内定取得者において、8月1日までに「取得した」内々定・内定数は1.97社と、前年同時期の1.89社より増えている。
8月1日時点での大学生の内定率は78.2%で前年比で6.2ポイント高くなっているが、1人あたりが獲得している内定の数も下表の通り増加しています。
8月1日現在「持っている」内定・内々定の数は1.06社となっており、前年同月の1.10社よりも減少している。
 Point①でご紹介した通り、累計で取得した内定・内々定の数は前年より増えています。一方で、8月1日現在「持っている」内々定・内定の数は前年同時期より少なく、前年より早い内定辞退をしているようです。早く就職活動を終了したい学生の意向や、企業が内定承諾の結論を早めに求めているといったことが考えられます。

 

8月のクエスチョン

毎月、内定状況などの定点の調査項目以外の調査項目を設け、就職活動生たちの今をレポートします。

今月は進路決定をしている学生に「就職活動を振り返って、進路決定に効果的だったと考えている事」について聞いています。


Q1: 就職活動を振り返って、進路決定に効果的だったと考えている項目をお選びください(複数回答)


Q2:就職活動を振り返って、進路決定に効果的だったと考えている項目をお選びください(単一回答)


Q3:進路決定に効果的だったと思っていることは、どんなことですか。(自由記入)


上記アンケートの結果は、以下のようになりました。

1位は「自己分析」、2位は「企業研究・業種研究」で、やはり就職活動をするうえで「自分を知り、相手を知る」ことが効果的だという回答結果となりました。
3位の「あきらめないで取り組むこと」 は、1位・2位と同じく40%以上の学生が選択。また4位の、「幅広い業界・規模への応募」も、三分の一以上の人が選択しています。これらの、取り組み姿勢や具体的活動の仕方は、就職活動をする際の参考になりそうです。コメントを一部抜粋してご紹介します。

【3位】 「あきらめないで取り組むこと」が効果的だったと答えた方のコメント

  • 多くの企業の説明会に参加し、沢山の方に話を聞くことができてよかった。 本やパンフレットでみるイメージと、直接話して感じるイメージには違いがあった。エントリーシートで落ちても、面接で何度失敗しても振り返りはしっかり行い、前向きに取り組めたことがよかったと思う。
  • 周囲が就職活動を終えていく中、ひとり就職活動を続けるのはつらかったが、諦めずに企業を探し、ESを出し続けたこと。
  • 多くの企業にエントリーした分、周りの人と比べると辛いことも多くあったが、”自分が納得するまで諦めない”という強い思いで最後まで就職活動を行えたことが良かったのではないかと思います。

【4位】 「幅広い業界・規模への応募」が効果的だったと答えた方のコメント

  • 興味のない企業でもとりあえず説明会に参加すれば、思わぬ出会いとなるかもしれない。逆に、いいなと思っていた企業であっても、説明会の印象が悪かったり、イメージと違っていたこともあった。
  • 社会で働いた経験がないので、どのような職業につきたいかなどのイメージがわきにくかった。そのため先入観なく様々な業界を知ることで、イメージの具体化を進めることができた。
  • 金融業界に就職を決めたが、最初は金融は志望していなかった。様々な業界の選考を受けるうちに、金融が一番雰囲気が合うし仕事内容も向いているのではないかと感じるようになった。

今回は、「進路決定に効果的だったと考えている事」を聞きました。前年は別の視点で、「就活中に壁にぶつかったことはありますか」「どうやって乗り越えましたか?」といった質問も行いました。その調査結果をまとめた記事もぜひご覧ください。

> 関連記事はこちら

<編集後記>

 「就職活動状況レポート」をお読みいただきありがとうございます。
8月の内定率は78.2%となり、就職活動率も30.6%と下がってきていますが、3割以上の学生の皆さんは就職活動を行っています。今回のレポートでは、「就職活動を振り返って、進路決定に効果的だったと考えている事」 をご紹介しましたので、ぜひ活動中の学生さんには参考にしていただき、納得できる進路選択に活かしていただければと思っています。
また、「就活中に壁にぶつかったことはありますか」「どうやって乗り越えましたか?」といった調査結果もまとめていますので、少しでも参考になればと思っています。ぜひリンク先をご覧ください。(徳永)

 

関連記事